BCG(ボストンコンサルティンググループ)の元日本代表の内田和成さんの著書です。
数年に1回、定期的に読む機会があるのですが、以前にも増して、書いてある内容に納得感があり、同時に表現を味わい深く感じられました。ビジネス書ど真ん中でありながら、長年ビジネスの第一線で経験を積み上げた著者の懐の深さ・愛を感じられ、より人生を前向きに頑張る背中を押してくれます。
内容は以下のことが具体的に書かれています。
- 課題解決よりも、そもそも正しい「問い」を設定する方が重要。最も重大な過ちは間違った問いに答えること
- まず、与えられた問題を疑え
- 論点は、一見してわかる単なる問題点(現象や観察事実)ではない
- 論点は人によって異なる
- 論点は進化する動的なもの
- 「あれもこれも」では結局何もできない
- 論点を設定するためには、「質問して相手の話を聞く」「仮説をぶつけて反応を見る」「現場を見る」が有効
- 論点にあたりをつけてから構造化する。これが論点思考の極意
- 上司や顧客がいうことを鵜呑みにして問題解決をしてはいけない。相手から言われたことを疑い、なぜそれが問題なのかを問え
- 結局、あなたの「課題意識」はなんだ?
面白いと思ったのが、過去のインタビューで著者がこのように発言していることです。
「私は「問題」「論点」という二つの言葉を混ぜてお話をしました。では問題と論点は、何が違うのでしょうか。この辺りが私のいい加減なところでして、そんなに違いは無いのです。ただ、なぜ論点という言葉を敢えて使ったかというと、二つの理由があります。一つは、世の中で問題、問題と言われていることが、私から見ると本当の問題ではないように感じているので、問題という言葉を使うと少し誤解されてしまうのではということ。もう一つは、コンサル会社で問題解決を図るときには、実はイシューや論点という言葉をすごく大事にしているということ。「この会社の論点は何か」と、ほぼ毎日のように言っています。分かりやすく言えば、解決すべき課題、あるいは一番最優先で取り組むべき課題、あるいは根本の課題という意味で使っています。「問題」「論点」には厳密な言語上の定義の差があるわけではないのですが、問題を非常に広い概念だとすると、論点というのはその中で絶対解かなければいけない問題。つまり、最優先で取り組むべき問題のことを、論点と考えていただくと分かりやすいかと思います。」
そして、BCGの日本代表が突き詰めていうポイントが、「自分自身の課題意識は何か」という所に行き着くのは面白いと思いました。他人がいうことを鵜呑みにせず自分の中で不思議だ・なぜこうなのだと思うことをストックしていく。その自分の中での課題意識が独自の論点を作ることとなり、付加価値の高い仕事をできるのだと感じます。
最後に、著書の中で自分が好きな文章を抜粋したいと思います。
『論点は意思決定ができるようになるとわかるようになる。小さいレベルでも意思決定をしていくと、自分として「こうではなくて、こうだと思う」という判断力がついてくる。判断できるということは裏側に論点があって判断している。私も作業屋だった。ずっとパソコンをたたき、データを収集していた。それの反省から、作業屋に終わってはいけないと盛んに言っているのだが、そのプロセスを経験したから論点が設定できるようになる。作業に没頭したことのない足腰が弱い人間に、ちゃんとした判断ができるのかとも思う。だから、一度、作業屋になることは避けて通れない道なのではないかと思う。どの作業をどれくらいやって、なんの答えが出せるのかという感覚がない人には、正しい問いと仮説はもてない。ビジネスパーソンの場合、どんな業界でも現場をやっているのは大事だ。経営の意思決定は0か、1かの世界ではない。グレーの世界の意思決定になってくる。それができるのは現場での経験だ。』
こんな感動的でモチベーティブなスンバラシイ文章がかけるように頑張ろうと思います。