過激なタイトルに惹かれて読んでみました。
著者は中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行なっている方で実務の中で感じたことから提言しています。
起業は費用対効果が悪い?
イーロンマスク・マックザッカーバーグ・スティーブ・ジョブズ・孫正義などなど、0から会社を興し華々しく成功を収めた人は注目されますが、90%以上の起業はスケールすることなく10年以内に消えていく現実があります。
不便を探すことが難しく必要なものが必要以上にあるこの時代に、新たなサービスを0から立ち上げて軌道に乗せることは針の穴を通す戦略と卓越した実行力を同時にかね備える必要があり至難の技のように思えます。ごく一部の天才以外にはリスクが大きすぎるように思えます。
21世紀に最適な成り上がり方はすでにある「箱」を買うこと?
この本で提案されている「成り上がり方」は、後継者不足に悩む中小企業を買収した上で、大企業の経験で得たマネジメントスキルを活かして事業を伸ばしていくことです。天才起業家でないほとんどの人たちに適切なリスクをとれる可能性を与え、同時に生産性を押し上げることができる秀逸なコンセプトだと思いました。
起業家という甘い響きに惹かれがちな風潮があるなかで、既にある「箱」をから事業を伸ばすことはスマートな選択として今後受け入れられていっても良いと思います。企業数が必要以上に多く生産人口が減少していく国において、ファイナンスとマネジメント能力を以って自分の実力を試し成功することがこれからのロールモデルの一つとなると感じました。
最後は自分の頭で考えて決断を下すことが必要
コンセプト自体はとても斬新に感じましたが、実際に300万円で買えるような企業があるか、そしてそれを購入した上で伸ばしていけるのかどうかは最後は自分で決断しないといけません。
本の中で中小企業オーナーとの情報格差を利用すれば割安の300万円で購入できるというようなことが書かれていましたが、それは端的にいうと「情弱を騙して適正価格から値切って買う」ということであり、ポジショントークもあからさまだなぁという印象です。
実際の買収価格や買収後のオペレーション執行については、ほんに書いてあることを鵜呑みにするのではなく自分の頭で納得できる解を出す必要があると思いますが、コンセプト自体は新鮮で納得感が高いものでした。
0から立ち上げるほどの決断はくだせないが、適切なリスクをとって挑戦してみたい人にとっては一読の価値ありだと思います。