先日韓国でお茶会を開いた際、あちらのお客様から「お茶をいただくときの作法はありますか?」との質問をいただき、
煎茶道に入門したての頃、先生から『客に作法は求めない』という教えを受けたことをお話しし、
「どうぞ思い思いにお楽しみ下さい」
とお勧めしたのですが、果たしてそれで良かったのかどうか、昨日のお稽古の折りに先生にお尋ねしました。
先生は、それは煎茶道に限らず抹茶道でも同じで、抹茶道には
『貴人(きにん)に法なし』という言葉があると教えてくださいました。
…『貴人』というのは、茶の湯では皇族の方々の他には、世の中のために功績があって勲位を授与された方達のことをいいます。
…とものの本にはありますが、一般的に『お客様』という事だと思います。
お客様をお招きしてお茶を差し上げるのに、
お越しいただいた方に 作法を求めるのはおかしな話だということでした。
お茶会というと、作法を知らないからと尻込みをすることもあるのではと思うのですが、
実際は主催している側は決してお客様に作法通りに召し上がっていただきたいとは考えていません。
茶道のお稽古をしている方はもちろん客としての作法も覚えますが、それは流派によって違うので、他流のお茶会ではその流派の作法には合わないものになります。
でも、自分のやり方でいいのです。
1番大事なことは、お菓子を愛でお茶を味わうこと。
馴れない場所だと多少緊張するのは否めませんが、出来るだけ楽にその雰囲気を楽しんでいただきたいと思います。
秋は特にお茶会が多く催されるのではないかと思います。
気楽に立ち寄ってみて下さい。
抹茶の場合はお抹茶の前にまずお菓子を頂きます。
お煎茶の場合はお菓子が先に出されますがお茶を頂いてから、お菓子になります。
なんだか面倒ですが、心配はいりません。
お茶会の席には、その会の進行役の方(席主)がいらして、
「お菓子をお取り回し下さい」とか
「お菓子をお召し上がり下さい」とか
言って下さいますので、その通りにすればいいのです。
懐紙 楊枝なども用意されているので、手ぶらで構いません。
紅葉を楽しみながら、花を愛でながら…出掛けられた先でお茶会が開かれていたら是非お立ち寄りいただきたいと思います。