瓢月亭の庭の梅の木が見頃になりました。庭師の小柳津さん自慢の木です。
へそ曲がりのようですが、私は桜よりも梅が好きです😅
冬のうちでも一番寒さの厳しいこの時期に咲く梅をみると、いつも高村光太郎の『冬が来た』という詩が浮かんできます。
冬が来た
きっぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹(いてふ)の木も箒(ほうき)になった
きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た
冬よ
僕に来い、僕に来い、
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のやうな冬が来た
この詩には寒さをものともせず、寒風に枝も揺らさず咲く梅の花の潔さが似合います。
それは私がこの時期の生まれだから尚更思い入れがあるのだと思います。
かつて、万葉の時代には歌に詠まれた「花」とは梅だったということですが、時代が進んで平安の頃にはそれは桜に取って代わられました。
久方の ひかりのどけき 春の日に
しづ心なく 花のちるらむ 紀友紀
日の光がのどかな春の日に、落ち着いた心も無く、どうして桜の花はあわただしく散るのであろうか
願わくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ 西行
出来る事ならば、桜の花の下で春に死にたいものだ(御釈迦様が入滅された)二月十五日の頃に
梅は中国原産の外来種。遣隋使、遣唐使が中国から持ち帰ったと言われていますが、やがて遣唐使が廃止され、中国文化の影響を受けない国風文化が花開くと「花」も梅から日本原産の桜に変わっていったと昔教わったような。
寒い日が続くと春が待ち遠しいのは誰しも同じかと思いますが、梅の花は
この寒さを乗り切れば春はもうすぐ
と身を持って教えてくれているようで、その健気さが愛おしいのです。
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